動かす・しゃべらせる
目が眠る罠と、検品のしかた
笑わせると目を閉じる。失敗例と、効いた対処を並べて見る
この店にはひとつ、はっきりした癖があります。笑わせると目を閉じる。著者が作った動画の9本中8本で起きました。この章では、失敗した実物と、効いた対処を並べて見せます。あわせて、動画を採用する前の検品のしかたを覚えます。
この章でできるようになること
- 「目が眠る」がなぜ起きるかを知り、止め絵の段階で防ぐ
- 動画を1秒ごとのコマに分けて、目で検品する
- 文字起こしで台本と照合し、耳で読みを確かめる
失敗の実物
この動画を作るとき、指示には「目は最後まで開けたまま、まばたきも細目もしない」と、はっきり書いてありました。それでもこうなりました。言葉で禁止しても、消えません。
原因は止め絵にある
著者は同じ台本で3回作り直しました。2回目は禁止の文言をさらに強めましたが、結果は同じでした。変わったのは3回目で、止め絵を変えたときです。
口を大きく開けて笑い、手を高く上げている。動画にすると4秒間目を閉じた
口を閉じた穏やかな顔。同じ台本・同じ指示で、目を閉じる時間が2秒に縮んだ
ここから分かることは3つです。
- 笑顔の止め絵は、動画で目を閉じる。しゃべらせる止め絵は、口を閉じた落ち着いた顔で作る
- 「笑う」「うれしい」という言葉と、手を振る動作も引き金になる。台本や動きの指示に入れるなら、目を閉じる時間が生まれる前提で
- 1〜2秒なら採用してよい。自然なまばたきに見えます。ゼロを狙って何本も作り直すと、お金だけ減ります
検品の3点セット
動画を採用する前に、必ず3つ確かめます。全部 Claude にやらせられます。
- 1コマに分ける1秒ごとに並べた1枚の画像にして、目と手と背景を見る
- 2文字起こしと照合音声を文字にして、台本と一語ずつ比べる
- 3耳で聞く読みの正誤は人の耳が最終の関門。ここだけはあなたの仕事
hello_v1.mp4 を検品してください。fal は使いません(料金はかかりません)。 1. 1秒ごとのコマを横に並べた1枚の画像 hello_v1_frames.png を作って見せてください。目が閉じているコマがあれば、何秒目か教えてください。 2. 音声を文字起こしして、台本「こんにちは!ファルの取扱説明書へ、ようこそ!」と一語ずつ比べ、違う箇所を教えてください。 3. 動画の長さと、画面の縦横のサイズを教えてください。 判定は私がします。目を閉じている時間が2秒以内で、台本どおりなら採用にします。
うまくいったか確認する
- コマを並べた画像が出て、目の開閉が自分の目で確かめられた
- 文字起こしの結果が台本と一致した(漢字の違いは気にしない)
- 自分の耳で聞いて、読み間違いがなかった
文字起こし(もじおこし)
動画の音声を文字にすることです。台本と比べれば、言葉の抜けや言い間違いが見つかります。ただし文字起こしは音を意味で漢字に直すので、「でしましょう」と読んでいても「出しましょう」と書かれることがあります。だから最後は耳です。
よくあるつまずき
- まばたきが1回だけ入る
- それは癖ではなく自然な動きです。採用してください。この本の案内役の動画にも、1.4秒あたりに自然なまばたきがあります。
- 3回作り直しても目が眠る
- 止め絵を疑ってください。笑顔・半目・細目の止め絵は、指示で直りません。口を閉じた落ち着いた顔で止め絵を出し直します。
- 文字起こしは合っているのに、聞くと変
- 読みの間違いです。その言葉をかなで書き直して頼み直します(第8章)。
持ち帰り
失敗作は消さないでください。何が起きたかの記録になり、次に同じ癖を踏まなくなります。この本の失敗例も、著者が消さずに残したから載せられました。
この章のまとめ
笑顔の止め絵は目を閉じる。効くのは言葉ではなく絵。検品はコマ・文字起こし・耳の3点。次の章で、動画に字幕を乗せて仕上げます。
章末チェックリスト
検品できました。第10章で、字幕を乗せて縦動画に仕上げます。